女性の皆さん、乳がん検診受けていますか?
乳がんの発生は20歳を過ぎれば誰にでも起こり得る病気であり、日本の女性が罹患する悪性疾患で、罹患率第1位となっています。
ただし、乳がんに限ったことではありませんが「早期発見ができればガンで死なずに済む」確率がグッと高くなります。
そうは分かっていても、忙しくて病院やクリニックが開いている平日は検診に行けないよ…という人も多いと思います。
そんな人に朗報です。日曜日に乳がん検診が受けられる日があるんです。
乳がん検診の種類
始めに乳がん検診について。
乳がんを発見するための検査方法にはいくつか方法がありますが、それぞれに適した人が違ってきます。
乳がん検診で行う検査は主に ①問診・視触診 ②乳房X線(マンモグラフィ)検査 ③乳房超音波(エコー)検査 この3種類になります。
問診・視触診
問診・視触診は1番基本的な検査になります。
専門の医師が目で見たり胸を触ることで「しこり」の有無や、乳頭からの分泌物が出ていないかなどを確認していきます。
以下に紹介する検査の前に行うことで、スクリーニングの役目は果たしますが、しこりはある程度の大きさがないと分からないため早期発見は難しい検査方法になります。
乳房X線(マンモグラフィ)検査
乳房X線検査とはマンモグラフィという名前で広く知られています。
乳房を透明の板で挟んで平たく引き伸ばし、X線装置で撮影する検査です。上下、左右でそれぞれ挟み、左右の乳房で合計4回撮影していきます。
乳腺全体を写し出すためにも、X線の被曝量を減らすためにもしっかり挟む事が大切になってきます。
そんなことから「痛い」というイメージが持たれているマンモグラフィですが、実際にマンモグラフィを経験した人の多くが「我慢できる程度の痛みだった」と感じており、そこまでの痛みではないのが実際です。
マンモグラフィ単独、もしくは触診との併用で死亡率減少の効果があるという証明が科学的にされており、感度も80%前後と言われ、乳がん発見には大変有用な検査と言えます。
X線を使って撮影をするものの、照射量は少ないため健康への影響はありませんが、妊娠の可能性がある人や妊娠中の方は事前に申し出るようにしましょう。
超音波(エコー)検査
超音波(エコー)検査とは、その名の通り超音波を当てて行う検査です。
X線の被曝はないので、妊婦の方でも安心して受ける事ができる検査です。
痛みは無く、小さなしこりも見つけやすいというメリットがあります。
また、胸全体の写真を撮るマンモグラフィと違い、胸の気になる場所をピンポイントで見る事が出来るので、しこりなどの自覚症状がある場合には有用な検査と言えます。
ただし、医師や技師などの施行者の技量に依存するというデメリットがあるのも事実…
最新の超音波診断装置には「エラストグラフィ」という組織の硬さを計測できる機能があり、これにより上記の欠点を補えるように。この機能により検査の精度がグッと上がりました。
ある程度の規模の病院や専門のクリニックであれば、だいたいこの機能がついた装置を使って検査しています。
どの検査を受けるのが良いのか
マンモグラフィは死亡率減少の効果があるという証明がされていますが、超音波検査は現時点ではそういった科学的証明がされていないのが現状です。
また、超音波検査では良性の所見も見つかりやすく再検査になる確率が高いため、多くの医療機関ではマンモグラフィ検査を行う機会の方が多いです。
しかし、2,30代などの若い人は乳腺が発達しており、マンモグラフィでは異常が分かりづらくなります。そのため、特に若い方は超音波検査も受けるのが良いでしょう。
また、40歳以上の方でも乳腺密度が高い方(デンスブラスト)はマンモグラフィでは病変部が見つけにくくなります。この体質の方は日本人に多いと言われており、マンモグラフィだけでなく超音波検査も併せて行うことが望ましいです。
ただ自分が乳腺密度が高いかどうかは、ほとんどの人が分からないと思いますので、全ての方にマンモグラフィと超音波検査を併用することをオススメします。
日曜日でも乳がん検診を受けられる日
2019年10月20日、日曜日。
この日は日曜日であるにも関わらず、全国の指定医療機関にて乳がん健診を受ける事ができます。
対象の医療機関は全国に380施設(記事作成時)あります。
これは、J.M.S(ジャパン・マンモグラフィー・サンデー)という取り組みで、子育てや介護、仕事など平日が多忙な女性のために「毎年10月の第3日曜日に全国どこでもマンモグラフィー検査が受診できる環境作り」を目的としています。
事前予約が必要な場合が多く、また施設によって受けられる検査もそれぞれ違います。
対象の施設と検査内容に関してはJ.M.Sの公式サイトから確認できます。
値段や実施時間、女性医師(もしくは技師)の有無なども記載されている場合もあるので、一度最寄りの医療機関をチェックしてみてください。
中には子宮がん検診を一緒に受けられる施設もあります。
まとめ
年々右肩上がりに増えている乳がん患者の数。
働き盛り、もしくは子育て中の方が多い36歳から60歳の年齢での、がん死亡原因の1位を占めているのが乳がんです。
少し前には、芸能人の方の乳がん公表が多くあり身近になりつつあった乳がん。ところが、それでも多くの人たちは乳がんに対する関心や知識があまりなく、発見されたときには手遅れになってしまうケースが多くあります。
乳がんに限ったことではないですが「早期発見・早期治療」はとても大事なこと。
早期発見ができれば助かる可能性はとても高まります。それに治療の幅も広がるため、乳房を温存したまま治療できる可能性も高くなります。
平日忙しい女性も、ぜひ「日曜日の乳がん検診」を利用してみてください。
また、これを読んでくださった男性がいらっしゃいましたら、ぜひ周りの女性に教えてあげてください。
また、女性だけの病気と思われがちな乳がんですが、男性の方にも起こり得る病気でもあります。女性に比べ数はかなり少ないですが、男性では主に60〜70歳で発生することが多いです。気になる方は一度受診されることをオススメします。